自社をランチェスター戦略に当てはめてみたら、気づきが山ほどあった話
- TADA Masayuki

- 6月15日
- 読了時間: 5分
こんにちは。合同会社多田EC支援事務所の多田優之です。
先日、支援先の方とランチェスター戦略の話で盛り上がることがありました。その流れで、ふとこんなことを言われたんです。
「多田さんのところって、まさにランチェスター戦略の“弱者の勝ちパターン”を実践されてますよね。幅広く支援されてるように見えるけど、実はちゃんと戦場が絞られてて、むしろ理論そのものじゃないですか?」
そのときは「なるほどね〜!」と笑いながら聞いていたんですが、後からじわじわと響いてきました。これって、まさに自社を俯瞰で見直すいい機会だなと。
ということで今回は、改めてランチェスター戦略を自社に当てはめてみるというテーマで整理してみました。結果的に、自社が無意識のうちに“理にかなった動き”をしていたことに気づかされました。

Soraで作成
1️⃣ ランチェスター戦略とは?
~「小が大に勝つ」ための“局地型マーケティング”~
ランチェスター戦略は、もともと軍事理論から発展した考え方ですが、ビジネスに応用されるようになってからは、特に「中小企業の戦い方」のヒントとして知られるようになりました。
基本的には2つの軸があります。
第一法則(弱者の戦略):
一点集中・接近戦・局地戦。 資源が限られた企業は、広く戦うのではなく「特定の市場」や「特定の顧客層」に全力で集中することで勝ちやすくなる。
第二法則(強者の戦略):
総合力・広域戦・効率重視。 シェアを持つ企業は、総力戦でリソースを広く投下し、他を寄せ付けない戦略で市場を押さえる。
つまり、自分の立場(弱者か強者か)をちゃんと把握し、「どう戦うか」を戦術レベルまで設計するのがランチェスターのポイントです。
特に、私のように中小企業支援に携わる者としては、「どう絞るか・どう深掘るか」がすべてと言ってもいいくらい、この理論はフィットします。

Soraで作成
2️⃣ 自社に当てはめて見えてきた「自然な戦い方」
✅ 自社の“戦場”は明確に絞られていた
合同会社多田EC支援事務所は、名前の通りEC支援をメインに、IT活用やSNS活用、最近では生成AIの実務支援も行っています。表面だけ見ると「なんでもやってる支援会社」に見られがちですが、実際のところ、対象はかなり絞り込まれています。
支援先の大半が、従業員10名以下の小規模事業者
地域は関西(特に京都・三重)と四国が中心
内容は「販売促進」「ネット販売」「LINEやSNSの集客」に特化
これはまさに、「局地戦」で勝つための土俵設定です。あえて“全国展開”のような広がりは求めず、「リアルで動ける距離」「実務で対応できる範囲」に焦点を当てています。
その結果、「地域での連続性」「信頼の蓄積」が生まれ、支援の質も安定しやすくなっています。

✅ “強み”が自然と「差別化」になっていた
自社には、大手のような広告費や組織体制はありません。その代わりに、次のような“実務ベースの強み”があります。
店頭販売の現場経験(仕入れ・接客・人材育成まで)
ネットショップ店長としてのリアルな運営実績
SNS支援(特にLINEとInstagram)+生成AI活用の横断スキル
セミナー登壇経験や行政機関での支援ノウハウの蓄積
こうした「現場とデジタル、行政機関と一般会社(事業者)など両方が分かる支援者」って、実はそんなに多くないんですよね。そしてこのポジションが、「一点突破」の差別化になっていたことに、改めて気づかされました。
3️⃣ ランチェスター視点でのアクション整理
▶ セミナー戦略=“ニッチ×実践型”の一点集中
「セミナー戦略」というと、大きなテーマで幅広く集めるのが主流ですが、自社では真逆をやっています。
たとえば:
Googleビジネスプロフィールだけをテーマにした集客講座
Canvaとスマホだけで完結するショート動画セミナー
ChatGPTを使った“人材採用”アイデア出し講座
どれも「絞りすぎじゃない?」と思われるかもしれません。でも、ニッチなテーマほど「刺さった人の満足度」が高い。そして満足度が高い人ほど「次」につながりやすい。
これはまさに、“接近戦”におけるランチェスター戦略の具体例です。
▶ 営業・発信戦略=“非対面の継続接触”で信頼構築
営業活動としては、テレアポ・DMなどの「プッシュ型アプローチ」は一切行っていません。その代わりに、以下のような“間接接触”を大事にしています。
セミナー資料の配布+SNSでのコミュニケーション
Instagram、Facebook、Xでの軽めの投稿
相談事例や支援ネタを公式ブログで発信(最近からですが・・・)
特に効果があるのが「単純接触効果」。要は、“何度も見かけると安心する・興味を持つ”という心理的な法則ですね。
ランチェスター戦略における「接近戦」の現代版は、こうした“デジタル上での接触”で実現できるんだと感じています。
▶ サービス設計=“代行しない、仕組み化に特化”
支援メニューも、「すべてやります」ではなく、「自社で回せるようにする仕組み化」にフォーカスしています。
たとえば:
SNS運用の代行 → 基本的には行わず、「運用の内製化」を支援
ECサイトの構築代行 → 希望があれば紹介のみ、主に「設計と仕組みの整理」を担当
マーケティング戦略 → 実務ベースで再現できるテンプレート化がメイン
これも結果的に、「誰でもやっている支援」ではなく、「自分らしい支援スタイル」へとつながっています。
4️⃣ 結論:強者ではないからこそ、“選んで戦う”ことができる
企業の規模が小さいというのは、一般的には「ハンデ」と思われがちです。でも、視点を変えれば、小さいからこそできる「戦い方」があります。
リソースが限られているからこそ、「選び・絞り・深く関わる」戦い方を自然と選べる。これがまさに、ランチェスター第一法則に基づいた“弱者の勝ち方”です。
自社の場合も、それを「理論的に理解してやっていた」わけではありません。でも振り返ってみると、結果的にそういう形になっていた。この“感覚と理論の一致”が、すごく腑に落ちました。
✍️まとめ:まずは、自分の立ち位置を知るところから
自社が強者なのか弱者なのかを見極める
「広く取る」より「深く取る」ことに目を向ける
自社の“得意な土俵”で、無理せず勝てる戦いをする
これは規模に限らず、すべての企業・事業者に通じる考え方だと思います。
あなたの会社だったら、どんな戦い方が合うと思いますか?一緒に“作戦会議”しましょう!
【📬お問い合わせ】



コメント