8つの生成AIでデータ可視化を比較検証してみた
- TADA Masayuki
- 6月8日
- 読了時間: 6分
更新日:6月9日
こんにちは。合同会社多田EC支援事務所の多田優之です。
最近、企業研修でよく聞かれるのが「どの生成AIを使えばいいのか分からない」という相談です。特にデータ分析や可視化については、AIによって得意不得意がはっきりと分かれます。
そこで今回、主要な8つの生成AI(ChatGPT o3、Claude Opus 4、Gemini 2.5 Pro、Skywork、Genspark、Manus、Felo、Perplexity ラボ)で同じデータを分析し、実際にどこまで使えるのか検証してみました。すべて有料プランで試しています。

検証の背景と方法
今回の検証では、ChatGPT o3を使って「京都府内のお客さんに絞ったネットショップの定期購入サービス利用者アンケート」という100件のダミーデータを作成。このダミーデータセットを8つの生成AIで分析・可視化してもらいました。
(最初のプロンプト)
ネットショップの「訳あり食品」の定期購入サービスのアンケートです。住所や年齢、評価、良い点や悪い点、改善点などの分析レポートをお願いします。
※ダミーで作成したExcelファイルをアップ(100人分)

検証のポイント:
同じデータでの分析精度の違い
グラフや表の見やすさ
実際の企業研修で使えるレベルか
レポート作成の完成度
ただし、同じプロンプトでの比較は生成AIの特性が違うので不公平な面もあります。今回は非エンジニアの私が、一般的に使う人が多いような方法で検証しました。修正をかけたものとそのまま出力したものが混在していることもご理解ください。
8つの生成AI比較結果
まず、一般的によく使われている大手3つの生成AIから検証結果をお伝えします。
ChatGPT o3
文章作成に関してはやっぱり一番優秀です。Excelデータを投入した際の対応力はしっかりしています。深掘り分析も丁寧で、統計的な観点からの分析は安定しています。ただし、デザイン性については物足りなさを感じました。

Gemini 2.5 Pro
「グラフを作って」と指示すると、確かに見栄えの良いグラフが出てきます。ビジュアル面では他を上回る印象です。しかし、今回の検証で致命的な問題を発見しました。100人分のダミーデータなのに、数字が合わないのです。見た目は良いが、データの正確性に疑問符がつきます。

Claude Opus 4
万能性が光りました。データ分析から可視化まで幅広く対応でき、スライド形式での出力も見やすい。特にアーティファクト機能は普段からよく使っているのですが、やはり使い勝手が良いです。プログラミングやコード作成・修正に関してはダントツで優秀です。

Manus
ものすごく丁寧にしっかりと作られている印象を受けました。分析の深さと完成度は特筆すべきレベルです。

Perplexity(ラボ)
ビジネスで使える要素を感じましたが、ここも数字が合っていないという致命的な問題がありました。

Skywork(スプレッドシート機能)
デザイン性の高い生成AIで最近人気ですが、今回はデータをいれるので「スプレッドシート」を使いました。

Genspark(AIシート機能)
これも良いスライドができると評判の生成AIですが、個人的には情報量が多い印象です。ただアイデアを整理するのは最高です。今回はAIシートを使いました。

Felo(スライド作成機能)
国産生成AIで、日常の検索目的には最も利用しているサービスです。今回はスライドで作成してみました。(もっといい選択肢があると思いますが・・・)

実用性で見た使い分け
15年における支援経験からみて、私がいま実際に使い分けているパターンをお伝えします。
セミナー・研修用スライド作成
最近では、Manus、Claude、Skyworkの3つを主に使っています。特にManusの丁寧さとClaude のアーティファクト機能は重宝しています。
文章作成
ChatGPT o3が個人的には一番優秀と感じています。ブログ記事や提案書の作成では、他を圧倒する完成度を見せてくれます。
プログラミング・コード作成・修正
Claude がダントツです。HTMLやCSS、JavaScriptの修正作業では、他の生成AIより安心できるレベルの精度を持っています。
データの正確性
Gemini 2.5 Proの見た目は確かに優秀ですが、数字の正確性に不安があります。必ず人間の目でチェックが必要です。Perplexity ラボも同様の問題を抱えていました。但し、プロンプトをしっかり考えると違う内容になる可能性は高いです。
企業研修での活用ポイント
私が実際に企業研修で感じるのは、ECやSNSの話をしても、やはり企業で働いていらっしゃる最前線の皆様の方が会社の理解度は高いということです。作る文字・文章・撮影する写真に愛情がこもっている、気持ちが入っているのです。
生成AIは道具です。
経験・体験・思いが詰まったものを、生成AIという道具を使うことでいろいろ活用していくことが大事と考えています。
成功のコツ
目的を明確にしてから生成AIを選ぶ
完璧を求めず、6〜8割の精度で人間がチェック
既存システムとの連携を考慮する
人間の経験と愛情を生成AIで増幅(拡張)させる
セキュリティとプライバシーへの配慮
各生成AIサービスによってはデータの保管が海外に置かれていたり、成果物の公開設定(公開・限定公開・自分だけ・非公開)を選べるものもありますが、その辺をしっかりと気をつけて使う必要があります。この辺はまた別のブログでしっかりと検証していきたいと思います。
今回はダミーデータを使っているので、一応すべて非公開もしくは自分だけで見れるような設定に変えて使っています。
当たり前ですが、ウェブに生成AIを使うということはウェブにデータを置くということなので、個人情報や機密情報、特定されると不都合のあるような情報、セキュリティ的な問題のある機密情報は、基本的にはウェブにはあげないということが大前提になります。
今回はテストなのであげていますが、実際は名前を記号に変えたり、名前は使わず住所もすべての住所ではなく都道府県か市町村位で止めておくなど、色々と意識を向上した上で安全に使うということを十分気をつけています。
今回のまとめ
8つのAIを比較検証した結果、それぞれに明確な特徴と注意点があることが分かりました。ChatGPT o3は文章作成で圧倒的、Claude Opus 4はアーティファクト機能で優秀、Gemini 2.5 ProやPerplexity は見た目はビジネス向けで良いが数字要チェック、Manusは丁寧さが際立つ、といった具合です。
ただし、AIはあくまでも道具です。データの読み方、分析の観点、そして何より「そのデータから何を判断するか」は人間の経験と知識が必要です。
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※ご注意
この検証は2025年6月時点での結果です。各生成AIサービスは頻繁にアップデートされているため、最新の性能は異なる可能性があります。
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