ネットショップ売上向上のカギは店舗設計!?
- TADA Masayuki
- 3 日前
- 読了時間: 5分
こんにちは。多田優之です。
最近では「無料で誰でもネットショップを作れる時代」になりました。BASEやSTORESなどを活用して、開業資金ゼロでネット販売を始める方が増えています。支援の現場でも「作るのは簡単だったけど、売れない」「何を改善すればいいのか分からない」といったご相談が増えてきました。

※Soraで作成
実は、こうした“売れない悩み”の多くは、集客やデザインよりももっと根本的な「誰に、何を、どう伝えるか」の設計不足に原因があります。
今回は、支援現場でも実際に活用している3枚のスライド図を軸に、ネットショップの売上アップに必要な考え方と手順を分かりやすくまとめてみました。
EC売上を構成する3つの要素
ネットショップの売上は、「ユーザー数 × 成約率 × 客単価」の3つのかけ算で成り立っています。

つまり、「たくさんの人が見に来て(ユーザー数)」、「そのうち何%が購入してくれて(成約率)」、「1人あたりいくら買ってくれたか(客単価)」
この3つが揃って初めて売上が立ちます。逆に言えば、売上が伸びないときは、このどこかが足りないだけなんです。
たとえばアクセスはあるのに売れないなら成約率の問題。
客数が少ないなら集客の問題。
売れてはいるけど単価が低いなら、セット商品や上位商品などの工夫が必要かもしれません。
特に支援の現場では、「集客に力を入れても、そもそも誰に届けるかが曖昧なまま」という例も多く見られます。
だからこそこの図は、施策の優先順位を整理するのにも役立つ、基本中の基本です。
ターゲット設定の重要性とペルソナ設計
「誰でもいいから買って欲しい」と思うのは、経営者として自然な感情です。けれど、それでは誰の心にも響きません。

このスライドでも示しているように、「誰に向けて発信するのか」が曖昧なままでは、ネットショップは埋もれてしまいます。全国の無数の競合店と同じ土俵にいるからこそ、ターゲットは明確に絞り込む必要があります。
たとえば「関東在住の30代共働き主婦」「登山が趣味の50代男性」「海外在住の日本人」など、ある程度具体的な“誰か一人”を思い描くことで、言葉も写真もグッと届きやすくなります。
支援の現場では、よく「過去に一番買ってくれたお客様って、どんな人でしたか?」と質問します。
その答えから、自然とペルソナ(=理想のお客様像)の輪郭が浮かび上がってくるのです。
商品設計と専門性の伝え方
「何でも扱うネットショップ」より、「○○専門店」の方が、印象に残るし信頼もされます。

このスライドでは、5代目そば職人が打つ“生そば専門店”の例を紹介していますが、
専門性があることで「他では買えない価値」が伝わりやすくなります。
たとえば「木箱入りのギフト」「お試しサイズ」「消費期限間近の訳あり」など、商品にストーリーがあるだけで、価格ではない“選ばれる理由”が生まれます。
その結果として「この商品なら少し高くても買う価値がある」と思ってもらえるようになります。
スーパーで手に入る商品をネットで買ってもらうためには、“わざわざ買う理由”を丁寧に設計することが不可欠なのです。
表現による売上の違い
たとえば「20代〜40代の女性向け」と書くより、「27歳の都内勤務OLで、週末はヨガを楽しんでいる女性」に絞ってみる。
そうすると、言葉選び・写真・使うSNSの媒体も変わってきます。
「通勤にも使える上品ワンピース」「忙しい朝も悩まない時短コーデ」など、ライフスタイルをイメージした表現にすると、ぐっと“自分ごと”として伝わります。
実際、「高品質で安心です」とだけ書いても誰の心にも残りません。
「国産の無農薬レモンを使い、子どもにも安心」「管理栄養士も愛用中」といった具体的な背景を添えるだけで、信頼感が高まります。
ペルソナに合わせた言葉選びは、ただの“説明”を“共感”に変える力を持っています。

今日からできる改善アクション
支援現場でも実践している“すぐできる工夫”をご紹介します。
SNS投稿のたびに「これは誰に向けたメッセージか?」と自問する
商品ページを1つだけ見直し、ペルソナに響く言葉で書き直す
ペルソナがよく使うSNSの投稿時間に合わせて発信する
ペルソナに響かない商品は、あえて紹介しないと割り切る
社内・外注スタッフとペルソナ情報を共有しておく
特に最後の“共有”は大切です。自分ひとりで運営していても、商品写真やバナー制作を誰かにお願いする機会が出てきます。
そのときに「このお客様に向けてお願いします」と伝えられるだけで、仕上がりの一貫性が保たれます。
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まとめ
ネットショップでは、言葉と画像がすべてです。
だからこそ、「誰に売るのか」=ペルソナ設計が成功の第一歩になります。
「集客してるのに売れない」「SNS投稿が空回りしている」
そんなときこそ、いったん立ち止まって「誰に語りかけているのか?」を振り返ってみてください。
今回ご紹介した3つのスライドは、実際のセミナーや支援の現場でも活用しています。
「売上の公式」「ターゲットの明確化」「専門性ある商品設計」――この3点を意識するだけで、ネットショップは確実に変わっていきます。
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支援者の皆さんは、どうぞこの図と考え方を経営者さんに届けてあげてください。
そして「なんとなく運営しているネットショップ」から、「誰かのために設計されたネットショップ」へ。
その一歩が、売上向上の最短ルートになるはずです。